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エアバイク概念設計

超伝導電磁エンジンによりエアバイクが実現可能であることを示すために著しました。



 

2.  エアバイク

 

跨って乗るバイクを、超伝導電磁エンジンを使用して空中を自由自在に飛べるようにしたものです。

操縦方法ですが、右スロットルが前進と後退、右スロットルレバーが前進と後退の制動、左スロットルが上昇と下降、左スロットルレバーが上昇と下降の制動、右スロットルと左スロットルがついている腕を動かして左右の方向転換を行うと考えられます。

超伝導電磁エンジンは5台使用します。3台は重力の打消しと上昇・下降用、2台は、前進・後退と方向転換用です。

無冷媒式の超伝導磁石を用いると、超伝導電磁エンジン5台ですので、数キロワットもの消費電力が必要となり、大きな電源を用いることにもなるので、冷媒式の超伝導磁石を用います。

 

普通の体重の人なら二人乗れる200キログラムの重量を積載できるものとします。

 

 


各部の重量は、次のように想定します。

 

超伝導電磁エンジン1台  15キログラム  

 常伝導体   5キログラム

 超伝導磁石  10キログラム

 

超伝導電磁エンジン5台 15×575キログラム

冷却器系        80キログラム

電源(発電機)     80キログラム

電気・電子系      60キログラム

フレームその他の車体  130キログラム

車体総重量       425キログラム

 

満載したときの総重量が625キログラムとなります。

 

満載しても動けるように、上昇・下降する力を最大で、660キログラム重とします。

これを3台の超伝導電磁エンジンで得るので、

1台当たりの最大推力は220キログラム重となります。

220×3660

 

超伝導電磁エンジン5台と発電機と冷却器の配置は次のようになります。

 

後方に、電磁エンジンの推進力が水平方向に働くように、電磁エンジンを左右2台、飛翔体の骨格に固定します。前進と後退と方向転換に用います。前進と後退には左右二つの電磁エンジンに同じ大きさの推進力を同じ方向に発生させます。方向転換には、左右2台の電磁エンジンの推進力の大きさを異なるようにする方法と、左右2台の電磁エンジンによる推進力の方向を異なるようにする方法を組み合わせて行います。

下面に、三つの電磁エンジンを二等辺三角形に配置します。電磁エンジンの推進力が天地方向に働くように、電磁エンジンを飛翔体の骨格に固定します。浮力を得るためと、機体の安定のためと、上昇・下降する力を得るためです。機体をどんな気象条件でも安定させるためには少なくとも、この用途の電磁エンジンが三つ必要と考えます。前方には1台、後方に2台配置します。後方に重い発電機などを配置するからです。

制動には5台の電磁エンジンを使用します。脈流の方向を逆転させて推進力を逆転することにより行います。電磁エンジンの推力をゼロにするエンジンブレーキは原則として働きません。空中を飛行し、空気抵抗しか働かないからです。しかし、上昇に対してのみは、エンジンブレーキが可能です。重力を利用できるからです。

 

 

☆常伝導磁石について

超伝導磁石の与える磁場が5テスラ。

常伝導磁石の常伝導体には鉄を使用します。

常伝導磁石の一回りの長さが0.8メートル。

常伝導体の断面積を7×104平方メートル。

鉄(鋼鉄)の抵抗率を20×108オーム・メートル。

鉄の密度を7.87×103キログラム/メートル3

 

以上を前提として計算します。

 

常伝導体の重さは、

7.87×103×7×104×0.84.4072キログラム

5キログラム未満の想定内です。

常伝導体の電気抵抗は、

20×108×0.8÷(7×104)≒2.29×104オーム

 

一台当たり必要な力は、220×9.8ニュートン。

この力を超伝導電磁エンジンにより得る場合の必要な電流の強さ(I)を求めます。

 

F=BILですから、

220×9.85×I×0.8

I539アンペア

 

この値が、最大電流に2/πをかけて2で割ったものになります。

ですから、最大電流は、

π×539アンペア

 

実効電流は最大電流を√2で割ったものです。

π×539÷√21197アンペア

 

このときの常伝導体の消費電力は、

11972×2.29×104329ワット

 

ちなみに電圧は、

1197×2.29×1040.2742ボルト

 

 

☆配線に使用する銅製ケーブルについて。

銅製ケーブルの長さを10メートル。

銅製ケーブルの断面積は2×104平方メートル。

銅の抵抗率を2×108オーム・メートル。

銅の密度を8.96×103キログラム/メートル3

 

以上を前提として計算します。

 

銅製ケーブルの重さは

8.96×103×2×104×1017.92キログラム

電気・電子系60キログラムの三分の一未満です。

銅製ケーブルの電気抵抗は

2×108×10÷(2×104)=103オーム

 

このときの銅製ケーブルの消費電力は、

11972×1031433ワット

 

常伝導体5個と銅製ケーブルの消費電力は、

329×514333078ワット

 

これに加えて、冷却器系に100ワット必要としても、

3.5キロワットの電源があれば、まかなえると考えます。

これには、「ヤマハ発電機EF3500-YAMAHA 4サイクル発電機」が適当と考えます。

この発電機の連続運転時間は、7時間です。

 

人一人(100キログラム)を載せた場合の加速性能を示します。

総重量は、425100525キログラム

 

上昇加速性能を計算します。

220×3×9.8525×9.8525×α

これを解いて、

α=2.52メートル/秒2

 

前進加速性能を計算します。

220×2×9.8525×α

これを解いて、

α≒8.21メートル/秒2

 

満載(200キログラム)の場合の加速性能を示します。

総重量は、425200625キログラム

 

上昇加速性能を計算します。

220×3×9.8625×9.8625×α

これを解いて、

α≒0.548メートル/秒2

 

前進加速性能を計算します。

220×2×9.8625×α

これを解いて、

α≒6.89メートル/秒2

 

発電機の性能から、これらの力を7時間連続して出せることになります。

 




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