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超伝導電磁エンジンの概要(最新版)
(トップページ記載の通り、2006年5月5日にネット上に公開しました。)


★高周波超伝導電磁エンジンを簡単に説明します。詳しくは「運動量秩序の研究」をご覧ください。

★高周波電磁エンジンの構造
 電流ループと超伝導磁石を重ね合わせるように固定します。電流ループには脈流(交流を整流した直流)を流します。脈流の周波数は波長が電流ループの一周の長さと一致する程度とします。仮に、この高周波数の脈流の向きと超伝導磁石を流れる永久電流の向きは逆とします。すると、電流ループには超伝導磁石の磁場により、電磁力が発生します。これに対して、脈流の作る磁場により、超伝導磁石に生じるはずの電磁力が超伝導によって生じるマクロな量子効果「運動量秩序」により無効になります。「運動量秩序」とは、永久電流を構成する電子対の重心運動の運動量が同じ大きさを持ち、他の同じ大きさに一斉に変化することです。この結果、高周波超伝導電磁エンジンは脈流の電流ループに働く電磁力を利用できます。この場合は、磁石と磁石の反発力の一方のみを利用することになります。

★高周波電磁エンジンの原理
 超伝導磁石に生じるはずの電磁力が無効になるのは、この高周波数の脈流磁場では永久電流を動かせないからです。すなわち、永久電流を構成する電子対は、電磁力の働く方向、すなわち電流の流れる方向に垂直な方向にも運動量秩序に従った一斉に変化する動きしかできません。電磁力方向にも運動量秩序が生じている結果、運動量秩序に従った運動を起こすのに適さない磁場を加えると、運動量秩序に規制されます。これが原因で、電磁力に従ってクーパー対が電磁力方向に運動量を変化させようとしても電磁力の力積(力×時間)が打ち消されます。
 脈流は交流を整流したものですから、脈流の山の移動速度は光速度です。これに対し、永久電流の方は電磁力を受ける電子対の運動を考える訳ですから、山の移動速度よりも遅くなります。脈流の磁場が異なる大きさの電磁力を各電子対に与えながら、追い抜いていくことになります。ですから、永久電流を構成する電子対が脈流から受ける電磁力の強さは脈流の強さに従って異なることになります。各電子対が脈流から受ける力積の値は脈流波形の山の高さ、すなわち脈流の強さに従って異なることになります。
 脈流の波長とループ一周の長さが一致する程度の周波数とするので、超伝導磁石には波長一個分の磁場が常に働くことになります。この波長の半分は、電流ゼロです。この脈流波形の電流ゼロの部分から、超伝導磁石が受ける力積はゼロです。よって、各瞬間において、この力積ゼロの部分が超伝導磁石に必ず存在します。力積ゼロの電子対は運動量を変化させられません。運動量秩序により電子対は一斉に変化しなければなりませんから、他の部分の電子対も運動量を変化させられません。
 従って、電子対と電子対が構成する永久電流は電磁力方向に運動量を変化させることができないことになります。ですから、超伝導コイルの材料が電子対から運動量を受け取って生じるはずの超伝導磁石の電磁力が生じないことになります。
 高周波超伝導電磁エンジンは何ら作用・反作用の法則に反しません。超伝導磁石の電子対には作用・反作用の法則に従って電磁力が作用します。その作用した電磁力が電子対の重心運動を動かせずに、各電子のエネルギーとなります。しかし、このエネルギーによる熱を心配する必要はありません。このエネルギーが加わっても、クーパー対のミクロな運動に不規則・乱雑性が無いことには変わりありません。クーパー対の集合である永久電流は電気抵抗ゼロで永久的に流れ続けます。抵抗ゼロであるということは、抵抗により生じる熱もゼロであるということです。クーパー対は熱には寄与しないのです。そして、これらのエネルギーは、振動自体に必要なエネルギーとして消費されたり、反平行運動を維持するためのエネルギーとして消費されたりします。その残りのエネルギーが、操作して超伝導磁石を常伝導状態に切り替えた後に、最終的に熱として放出されることがあるということです。
同様の現象をモーター(電動機)が利用しています。モーターは回転軸を回転させて回転運動エネルギーを与えますが、作用・反作用の法則に従えばモーター本体も逆回転しなければなりません。にもかかわらず、モーター本体が逆回転しないのは、モーター本体の自重や床に固定することによるものです。この自重や床と同じ働きを運動量秩序がしているだけなのです。

★高周波電磁エンジンの利用法
 乗り物の骨組みに固定して乗り物に高周波超伝導電磁エンジンの推進力を伝えて動かします。例として、高周波超伝導電磁エンジンで物体を打ち上げる図を示しました。電磁エンジンを物体の下に接触させて固定します。電磁エンジンの上向きの力をF、電磁エンジンが物体に与える力をfとします。電磁エンジンは物体に力を伝えた反作用として抗力Tを受けます。
高周波超伝導電磁エンジンによりこの装置全体に働く力をPとします。

 P=F+f-T

そして作用反作用の法則により
f=T
ですから
f-T=0

これをPに代入すると
P=F+f-T=F+0=F

結局、装置全体に働く力PはFとなります。
このFが装置全体の質量に働く重力よりも大きいときに、この装置を上方に打ち上げることができます。


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