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★第4章 私の装置の利用可能性

☆第1節 私の発明
 私の装置は産業上の利用可能性が極めて大きいものです。私の装置に重量の異常を起こさせた力を利用できます。電流ループと超伝導磁石の間の反発力もしくは吸引力を利用できます。この力を推進力・浮力・制動力として利用できます。超伝導磁石に固定するケーブルを丈夫で電気抵抗の少ない金属に変えれば、大きな推進力を得るために高周波の大電流を流しても消費電力を押さえられます。それに、大電流かつ低消費電力ですので、低電圧となり、超伝導磁石に悪影響を与えません。また、その丈夫な金属を通して推進力を乗り物の骨格に伝えられます。金属の常伝導体は丈夫で磁力を妨げない材料で被覆して電流が漏れないようにします。その形状を図に描きました。この装置を私は超伝導電磁エンジンと名付けて特許を出願しています。超伝導磁石の磁場の強さ、脈流の強さ、超伝導磁石と常伝導体のサイズを変化させることで、様々な大きさの推進力を得ることができます。また、電磁エンジンを複数組み合わせることにより、より強い力を得ることもできます。脈流の方向を逆転させることで推進力の方向を逆転させることもできます。そして、複数の電磁エンジンを乗り物の骨格に固定して電子制御すれば、乗り物を空中で自由自在に動かすことができます。電磁エンジンはあらゆる乗り物を高性能化できます。物を乗せて浮かび楽に移動できる台が製造できます。極めて巨大な物体を回転させられます。発電に応用する可能性も考えられます。

【図5】 電磁エンジンを上から見た平面図です。
【符号の説明】
 1 常伝導体
 2 脈流電源
 3 冷却器
 4 ケーブル
 5 超伝導磁石


【図6】 電磁エンジンを示した側面図です。


☆第2節 電磁エンジンの利用法
 乗り物の骨組みに固定して乗り物に電磁エンジンの推進力を伝えて動かします。例として、電磁エンジンで物体を打ち上げる図を示しました。電磁エンジンを物体の下に接触させて固定します。電磁エンジンの上向きの力をF、電磁エンジンが物体に与える力をfとします。電磁エンジンは物体に力を伝えた反作用として抗力Tを受けます。
電磁エンジンによりこの装置全体に働く力をPとします。

 P=F+f-T

そして作用反作用の法則により
f=T
ですから
f-T=0

これをPに代入すると
P=F+f-T=F+0=F

結局、装置全体に働く力PはFとなります。
このFが装置全体の質量に働く重力よりも大きいときに、この装置を上方に打ち上げることができます。


☆第3節 電磁エンジンと従来の超伝導応用技術
 電磁力の反作用を利用する超伝導電磁推進船という考えがあります。それは、船から電流を流した水に、船に据え付けられた超伝導磁石で磁場を掛けて、水にフレミング左手の法則に基づく電磁力を生じさせて水を押し出して進むものです。しかし、実はこの船は「超伝導による電磁推進の科学」(岩田章・佐治吉郎著、朝倉書店刊)によれば、超伝導コイルによって作られた磁場空間から海水通電用ケーブルが直接力を受け、この力を船体に伝達して推進力にするものです。推進力は超伝導コイルに作用するものではなく、常伝導の海水通電ケーブルに作用するので、超伝導磁石の限定的な電磁力打ち消しという私の理論に何等矛盾するものではありません。
 また、超伝導磁石とフレミング左手の法則を利用する考えにレールガンという武器があります。このレールガンにおいて時間的変化の大きい磁場により超伝導磁石に働く電磁力が打ち消されることがあると考えられます。しかし、その打ち消しも部分的にとどまり、大きな影響を及ぼさないと考えられます。また、そのことにより大砲としての反動が少ないことは喜ばしいことで何等問題を生じさせるものではないため、限定的な電磁力吸収という超伝導磁石の性質が気付かれることはなかったのだと考えられます。同じような他の超伝導磁石応用技術でも電磁力の反作用が少ないことは問題にならないため、限定的にせよ、超伝導磁石に電磁力の反作用を打ち消す場合があるという性質が気付かれることはなかったのだと考えられます。
 JRのリニアモーターカーは推進コイルに交流を流しています。それにより変動する磁場が生じているとも考えられますが、「個々のコイルが発生する力は車両の超電導コイルが通過するたびに変化し、変動が大きいが超電導コイルの側では合成された力となり変化は小さくなっている。」(「磁気浮上鉄道の技術」正田英介他共編69頁、オーム社刊)ので、超伝導磁石には安定した磁場が、すなわち時間的変動の少ない磁場が作用して推進力が生じていることになります。このことはリニアモーターカーが極めて安定した走行を行うことからも確認できます。

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